はじめに

マンション管理適正化法が施行されて

 平成13年にマンション管理適正化法が施行されてから早いもので十数年が経過しました。
 この十数年で分譲マンションの管理は大幅な変化を遂げたという実感があります。
 悪質業者の減少、委託業務丸投げの排除、業務委託契約書の適正化など目に見える成果が出ているように思います。

 管理組合側の意識の変化も見られます。マンションは仮の住まいという位置付けから終の棲家としての位置付けがポピュラーなものとなり、そのために管理運営を業者任せにしていたのでは立ち行かないという意識が確実に高まっています。
 しかし、管理組合は共同体です。個々のレベルでいかに意識を高く持っていたとしても、意思決定が統一できなければ成果は現れてきません。
 また、合意形成の難しさは今後もテーマのままであり続けるでしょう。生活環境や成長過程、価値観の違う人々をひとつの意思決定にまとめあげるという難しさは永遠のテーマであると思います。

 また、マンション管理士も誕生してから十数年、手広く活躍している仲間も数多く存在しますし、認知度もかなり高まっているという実感があります。
 私たちマンション管理士は管理組合運営について興味があってもそれを実行していくまでの知識、時間、エネルギーが足りないという管理組合のお手伝いをするパートナーです。
 自分の城であり、財産であり、生活そのものでもあるわがマンションを、今よりランクアップさせるため、ぜひ私たちマンション管理士に声をかけていただきたいと思っています。